もくじ
ひと言が大きな救いになる(母、かおり)
子どもが不登校になり、仕事に行けなくなるお母さんも多くいらっしゃいます。
私はパートでしたが、このまま続けられるかな?どうしようかな?と悩みました。
知愛が学校に行かなくなった頃、私は富田林のファームスギモトという農家さんでパートをしていました。農作業や、野菜の出荷作業のお手伝いです。
留守番ができない年齢ではなかったけれど、その頃の知愛はとても情緒不安定で、いろいろな症状が出ていました。1人で家に置いていることが気がかりで、ビニルハウスで茄子のお世話をしていても、頭の中は知愛のこと、これからどうしていこう?ということでいっぱいでした。
それで思わず、近くで作業していた社長に知愛のことを話したんです。
「知愛、学校に行ってないんですよ。」
すると社長は、「そうなん!連れて来たらいいやん!」と言ってくれたんです。
農作業を手伝ったり、畑の一角で何か育ててみてもいいし。という言葉に、とてもびっくりしたし、同時にものすごくほっとしました。
パート先に子どもを連れていくなんて、思いもよらないことでした。
とにかく、そのお言葉に甘えて知愛に言ってみよう!って思いました。
そして、知愛との同伴出勤が始まりました。
まだ寒い時期のビニルハウスの張替え、草抜きや種まきなどのお手伝い。
冬でもビニルハウスの中は暑くて汗だくになるのですが、1分もがまんできず、走って外へ逃げて行った姿が懐かしく思い出されます。
ビニルハウスにぶら下がるツララを集めたり、春はツクシをたくさんとったり。
オクラを育てる!と種を蒔かせてもらったり、ブーブーぼやきながらも草抜きをがんばったり。
お手伝いしたり、遊んだりしながら過ごさせてもらいました。
ある日、勉強道具と小さな机を持っていくと言い出したことがありました。
どうするのかと思ったら、ビニルハウスの中にピクニックシートを敷き、机を置いて勉強を始めたのです。
その光景を見た社長は大笑いしていました。
6年生で少し学校に行く時期もあり、あまり長い期間ではありませんでしたが、気さくに受け入れてもらえ、いろいろな体験をさせてもらえてとても感謝しています。
特に、不安の強かったあの期間を、農業という自然と関わるお仕事を身近に感じなら、屋外で過ごす時間を持てたことや、学校に行っていないことを気にせずお喋りしてくれる方たちとのゆるやかな関わりは、心の療養にも大きく繋がったと思っています。
周囲の方が受け入れてくれれば、どこでも居場所になるし、どこでも学べるんだと実感させてもらった日々でした。
▼ファームスギモトさん、とっても熱い思いで農業をされています。
ぜひSNSフォローしてみてくださいね。
ファームスギモト(大阪府富田林市)
https://www.facebook.com/farmSugimoto
「あのみのり(なす)」と「きゅうり」を中心に葉物やもものすけ(サラダかぶ)などを栽培生産し、販売しております。安心安全を心がけたエコ農産物などの栽培生産の取り組みも行っております。地域の農地、水路保全活動、農業と福祉の連携活動等を通して社会に貢献します!
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不安だった子どもの声(知愛)
私が不登校になってすぐの頃、お母さんは農家さんで働いていました。週に3~4日は朝から夕方近くまで1人の状態。
これからどうしよう、、、
そんな状態での1人ぼっちはとっても寂しかったです。
なので「一緒に行くー??」と聞かれた時はとっても嬉しかったです♪
いざ行ってみてハウスのなかで雑草抜きなどをしてみると、汗はダラダラで酸素も薄く、
「なんじゃこりゃ、しんどー!!!」って思いました。
でも何回か行ってだんだん飽きてきちゃって、、、笑
「そうや!!あそこを自分の部屋みたいにすればいいんや!!」
と思って折りたたみの机、筆箱、勉強道具、色鉛筆、塗り絵、レジャーシート、ブランケット〖 冬だったので笑〗
などなど、いつも家でしている事ができるように大荷物で行って、お母さんが働いているハウスの隣??に広げて過ごしました笑
みんないるし、居心地もよくなって、めっちゃ楽しんで行かせてもらってました。今となってはとっても楽しい思い出です。ありがとう。
誰もが居場所になれる(2021年追記:かおり)
この記事に書かれているのは2015年の1月~春くらいの話です。
そしてこの期間にサークル立ち上げの準備をし、4月から活動を始めました。
生きていると、状況は様々に変化していきます。ずっと変わらず同じなんてない。その変化にすぐさま対応していけることの方が、少ないのではないでしょうか。
そんな時に、「自分で何とかしなければ」と抱え込んだり、何かを「無理だ」と決めつけてしまうことは、変化が「問題化」していくのだと思います。
変化なんて誰にでも起き続けていくものだし、それが自然です。落ち着いて情報を集めたり、必要なサポートを選んだりしていくことで対応していけることも、関連することが絡み合っていたり、制限的な思考や感情が深刻化させていきます。
私には、ファームスギモトの社長が言ってくれた「連れて来たらいいやん」というひと言が本当に衝撃だったんです。枠に捉われない自由で柔軟で、温もりのある発想が、躊躇するような間を置くこともなく、すぐに出てきたことに感動しました。
それ以来、「人が居場所なんだ」とずっと思い続けています。
心を通わせられる相手のいない場所なんて、ただの空間です。
困っている時に、まず日々関わっている方にその状況を伝えて相談することはとても大切なことだし、自分が相談される立場になった時に、あれこれ考え込まずにとにかく今できることは何かを見つけ、どんなに小さなことでも行動する自分で在りたいと思います。
そうやって行動してくれた方たちに助けられて、私たちは此処までやってこれたからです。